「サンセット大通り」と「マルホランド・ドライブ」

映画って本当にすごいパワーを持っている。すごい映画を観ました。

「サンセット大通り」(1950年)

絶句する。

すごい映画だ。

ミュージカルにもなっているし、あらすじも知ってる。
ビリー・ワイルダー監督だし、名作とは知っていたけども、いやしかし、ここまで素晴らしい作品とは、、、見くびっておりました。すいません。土下座します。

ビリー・ワイルダー、凄い。なんて映画だ。

そう、僕はあらすじを知っていた。でも、これだけ惹き込まれた。
というのは、脚本や演出がお見事だということだ。

さらに、主役の落ちぶれたスター女優を演じたのは、実際のサイレント映画時代の女優「グロリア・スワンソン」だし、セシルBデミル監督やあのバスター・キートンも本人役で出演。

そして、グロリア・スワンソンと執事役の人の「本当の関係」も物語にフラッシュバックするし、この「サンセット大通り」は演じる人たちの現実と、映画としての物語という虚構が交差している不思議な映画ともいえるし、もう、奇跡というか唸るしかない。

さて、デヴィッド・リンチ監督の名作「マルホランド・ドライブ」(2001年)は、もう劇場でも何度も観て、DVDも持っているのにテレビで放送するときはつい観ちゃうという大好きな映画ですが、この「マルホランド・ドライブ」は、一般的に「変な映画」「よくわからない映画」という風に言われますが、この映画はリンチ自身が言及している通り「サンセット大通り」のオマージュだそうです。

黒髪の女「リタ」が「マルホランド・ドライブ」で交通事故に合い、夜道をさまよい、なんとかでくわした通りが「サンセット大通り」。ここはきちんと標識で説明されます。

どちらの道路もハリウッドに実在する通りの名前です。

どちらの物語も主人公たちが、ハリウッドに翻弄されています。

どちらの映画にもベティという名前の女子が出ています。

「サンセット大通り」に出てくる車が「マルホランド・ドライブ」にも登場しています。(本物だそうです)

どちらの映画も、切ないです。

そして、「サンセット大通り」で、落ちぶれたスター女優に愛される若い脚本家志望の男を演じているのは、当時無名だったウィリアム・ホールデン。

「マルホランド・ドライブ」の女優志望の女子を演じているのは、当時無名だったナオミ・ワッツ。

ふたりとも、この出演がきっかけでハリウッド・スターとして出世していくというのもとても興味深い共通点です。まさに虚構と現実がおかしくなっていると思います。

さらに、「サンセット大通り」に一瞬出てくる「ゴードン・コール」という人。

あれ、その名前、どっかで聞き覚えがあるなあと思ったら、ビンゴ。

「ツイン・ピークス」でデヴィッド・リンチ自身が演じる「耳が遠くて話す声がバカでかいクーパー捜査官の上司」の名前じゃないですか。

デヴィッド・リンチはこの「サンセット大通り」に影響されまくっている、ということですね。

ふう。

リンチの新しい映画が観たいなあ。

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