遺憾に存じます

なにか嘘をついてみようと思ったけれども、
ニュースも政治も経済も仕事も
回転寿司みたいに嘘のようなネタが目まぐるしく回っておりまして、
はてさて、どれをつまもうかと思っているうちに
2015年4月1日が過ぎてしまいました。
誠に遺憾に存じます。

学生時代は優等生
万能選手で人気者
こんな秀才、いままで見たこたねえ! 
とかなんとか言われたもんだが〜
今じゃしがないサラリーマン。 
こりゃまたどういう訳だ!世の中間違っとる〜よ〜! 
誠に遺憾に存じます。 
(「遺憾に存じます」(1965年)/ハナ肇とクレイジーキャッツ)

青島幸男の歌詞はまるで親鸞の教えのように、人間というものの本質を描いてみせる。
この曲はビートルズのパロディだ。イントロは完全に「抱きしめたい」。(演奏は寺内タケシとブルージーンズ)

なんでオレはこんな大人になっちまったかなあ。そうだ、世の中が悪いんだ!
という責任転嫁の逆ギレの心理状態をロックのビートに乗せて歌う。
つまり、自分の人生の不運を世の中のせいにしている。
そして、最後に「誠に遺憾に存じます」といって、
客観的にその態度を反省する。
ロック(というかビートルズ)に熱狂している若者の怒り、
そして、その怒りの対象を世の中のせいにする大衆、
さらには、政治家の答弁における「遺憾」という言葉。
これらの要素をひとりの人間の人生として表現し、人間の多面性、複雑性を表現し、世の中を描いている。
そんでもって
「わかっちゃいるけどやめられない」し
「そのうち、なんとかなるだろう」だ。

これほど、バカバカしくて、健気で、でも、最後に希望を与える歌。
1960年代の音楽だけど、常に普遍的に思えるのは、
彼が、人間の本質を鋭く突いているからだと思う。
毎日がエイプリルフールのような現実で、
僕らの感覚が麻痺しそうな日常にこそ、
青島幸男の歌詞が正しい方向に導いてくれる気がするよ。

金のないやつはオレんとこに来い!
オレもないけど、心配するな

見ろよ、青い空。。。白い雲
そのうちなんとかな〜るだ〜ろ〜う〜

そう信じたい。

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