フィクション

西麻布から神宮前まで歩いた。

外苑前西通りを北上すること約2キロ。

通り沿いはいちいちお洒落なお店が建ち並び、いちいちお洒落な人々が行き交うエリアはキラキラ輝いている。

ふと右側に目をやると青山墓地。
西麻布から神宮前のルートは、ちょうど青山墓地の始まりから終わりまでの真横を走る道。

生と死のはざまを、黄昏時に歩いていると、そのキラキラの輝きもまるでフィクションのように思えるし、夢のなかを散歩している心持ち。

そして、翌朝、神奈川の我が家を出ると、輝くような青空が丹沢の稜線をくっきりと映し出し、その稜線の間から神々しいプロポーションの富士山。

このそびえ立つ生命感には圧倒される。
この姿の前では、人間の生と死も、ただのアミノ酸の分解のようだ。

僕らは、彗星に乗って、地球に衝突して、そして、海の中で細胞分裂してきた。

そういう意味では、富士山からみれば、我々は宇宙人だ。

富士山は地球が作ったものだけど、外苑西通りの風景は人間が作り出したもの。



そうか、だからフィクションでいいのか。

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