植物は<未来>を知っている

そもそも植物とはなんだ?
我々人間を基準として考えると、それは食べ物であり、風景であり、環境であり、手入れをしたり、人間が面倒をみてあげなくてはならないし、大切にしなくてはいけないもの、という印象があります。

しかしながら、田畑や山の木々や草花に囲まれた生活を18歳までしていた僕としては、植物とはどんどん無秩序にその成長を繰り返していくし、夜などは大木の気配や、水を組み上げる音を感じたし、その生命力を無視することはできない存在だったと思います。

ですから、上京して感じたことは、

夜が静かで寂しい

というものでした。

人があれだけいて、明るくて、ノイズもたくさん。
だけども、それは人間の活動の範囲を超えるものではなく、生物の活動というよりも、人工的で無機的な活動だから、静かだ、と感じたのかも知れません。

さて、本書は、ステファノ・マンクーゾさんはフィレンツェ大学の植物神経生物学研究所の創設者。彼の驚くべき植物に対する話は、その本の分厚さと反比例して、すいすいと読み進められるような話題に満ちています。

途中で、哲学や歴史の話にも脱線しますが、それは、植物の知性や行動(動かないけど、人間をはじめとする生物を動かす)、植物をもとにしたAI、ロボット、ITの研究など、幅広い研究分野への応用を語っています。しかも、読みやすく、わかりやすい。

ということで、この本を読んで、植物の凄さを知るとともに、僕が生まれ育った自然の騒がしさの謎について少し納得できたように思えました。

また、植物の凄さを知ると、あらゆる悩みとか、社会とか、仕事のこととか、人間関係、、、、とても小さなことのように思えました。

そういう意味でも、たいへん読み応えのある内容。おすすめです!


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